代表戦開催:3つのポイント サッカー日本代表戦開催への成功に向けて |
2月3日朝刊各紙によると「2005年中、秋ごろにA代表戦を宮城スタジアムで行う」と川渕・日本サッカー協会会長が明言したそうである。 1月26日付、讀賣新聞仙台圏版、1月27日付、朝日新聞宮城県版に、宮城県知事が川渕キャプテンに直接、日本代表戦の宮城スタジアム開催を要請に行くという記事が掲載された。 果たして今の宮城スタジアムに日本代表戦を呼ぶことができるのかどうか、代表戦開催のための3つのポイントをまとめてみたい。 3つのポイントとは、 である。 アクセス改善 まず酷評され続けている、アクセス改善について考えてみよう。 このアクセス改善は3つのポイントの中で最も重要であり、かつ宮城スタジアム開設以来常に言われていたことである。 問題に入る前に。 本当は宮城スタジアムをぶっ壊さないための最低条件・2ページ目で述べているように、岩切からの専用軌道が必要不可欠なのだ。 でも、もしそれができないのなら、岩切からのシャトルバスが必要と考えているのだ! そして、さらに譲歩した案が、本HPにおける「50,000人対応の輸送計画 ver.2(案)」であるのだ。それを前提に、ここは読んでもらいたい。 そこでまずは、本HPにおける「50,000人対応の輸送計画 ver.2(案)」を見てもらいたい。一昨年のSMAP開催における失敗を元に作成したものだ。今回、代表戦は19:30キックオフとして、延長戦・PK戦はないのと(アジア最終予選方式はこちらを参照のこと)、45分ハーフ(15分休憩)で前後半通常3〜4分のロスタイムがあることを考慮すると、試合終了は21:20分頃と思われる。「50,000人対応の輸送計画(案)」に書いたように、“21:30以降の終了時刻では問題が大きい”という点はクリアしている。 とすれば、交通アクセスの計画は試合終了後、どうやってスムーズに観客を鉄道の駅まで運ぶかの1点にかかっている。 上り最終やまびこ280号(郡山行、土休日運休)は22:10仙台発であるが、これに間に合うのは無理がある。仙台駅シャトルバスは所要30分であるし、利府駅シャトルバスも15分(利府ー仙台間は15分)かかる。讀賣新聞にあるような最終の新幹線に間に合うためには、キックオフ時刻を早めないとダメだが、Jリーグオールスターのときに19時キックオフを18時キックオフにして顰蹙を買った経緯もあり、せいぜい19時10分頃のキックオフ(テレビ放映を考えると)にしないとだめだろう。とすると、恐らくぎりぎりとなる。 ゆえに、現実面では臨時を出さない限り無理だろう。SMAPのときに、グランディ・21連絡協議会事務局は東京の旅行業者に、ムーンライト東京のような快速列車を走らせないか検討したことがある。このときには利府駅始発東京行きを想定したが、当該車両があいていれば貸切列車として運用可能という返事がJR東日本からはあったが、実際には他の運用でふさがっていたので列車は走らなかった。 今回、早め早めに準備しておけば、利府駅発の夜行快速列車の運行は十分に可能だ。これまでの実績から、試合終了後1時間後の発車時刻を想定すればいいと思われる。つまり、キックオフ3時間後の時刻設定にできればよい。19:30キックオフなら、22:30発になる。 次にシャトルバスについて考えたい。「50,000人対応の輸送計画(案)」にあるように、第7駐車場全体をバスターミナルとして運用することが必要不可欠となる。その上で、人の動線をどう考えるかも大切だ。 右図は新交通アクセスプランに基づく観客動線を描いている。ポイントはスタジアム西側の立ち入り禁止区域(選手、役員などの動線があるため)の西側の通路を確保できるかどうかにかかっている。この動線を使えば、第7駐車場の最西部に設ける泉中央駅シャトルバス乗降場へは近い。ただこの動線、SMAPコンサート(2003年9月)のときには通行禁止となった。SMAPなど出演者の動線とかぶる恐れがあるとの判断である。代表戦での警備側の修羅場は確かにあるだろうが、是非ともこの動線だけは確保したいところだ。 サポーター支援 ファン・サポーターへの親身のサポートとは何か。 いわずと知れた、施設側の心意気を見せることであろう。できるだけ楽しめるようにする仕掛けが必要だ。 入場者は少なかったが、昨年10月のベガルタ戦では、2000年のJリーグオールスター以来久しぶりに、サッカーパークを実施した。シュートスピードチャレンジや、キックターゲット、リフティング大会、ドリブル大会や、フットサルなどを実施したが、多くの子供たちが訪れた。もちろん、大人たちも楽しんだのだ。 宮城スタジアムはこどもの日には子供たちに無料公開しているが、このときの大人気はフェイスペインティングである。代表戦では、当然、フェイスペインティングを行うことも必要だろう。さらに、出すとすぐになくなってしまうお土産、芝グッズは必要不可欠だろう。 そんなサッカー漬けの1日を宮城スタジアムを含むグランディ・21で過ごしたらどうだろうか。 また、Wゲートにいたる大斜路の下や、Sゲート下には、「ふれあい広場」(国体や障害者スポーツ大会のときのそれと同様)と称した屋台やグッズ売りの店(ワールドカップ時のグッズ売り、フェイスペインティングコーナー、芝のお守りなど)。Eゲート下には屋台村などが必要だろう。 上記の動線図をクリックすると詳細図が見られるが、その中に、こうしたサッカーパーク等の仕掛けを記したので見ていただきたい。 結局、「ファンやサポーターへの親身のサポート」とは、施設側、ボランティア、主催者が自ら楽しみ、交流する場所と考えてよい。みんなが楽しければ、訪れる人もきっと楽しいだろう。ただし、もちろん、日本代表が勝つことが必要。 そのためには、ファン・サポーターのモチベーションを最高のものにもっていかなければいけない。 今まで、そうした点が宮城スタジアムになく、サポーターの一部にして「糞スタ」とかホームチームが勝てない、とか言われたゆえんである。長いことバスに揺られ、わけがわからないうちに席に着くのでは、モチベーションを高く維持することはできない。 サポーターのモチベーションが低下したら、それが選手に伝わるかもしれない。それでなくても、応援の熱気は低下してしまうのである。 さらに、大事なことがある。 それは事前に情報を十分に伝えること、だ。 交通アクセスはもとより、座席のこと、スタジアムの中のことをはじめ、めし、トイレ、休憩場所など、すべてのことを事前に伝えないと、訪れる者は不安になる。 施設側が提供するのはある程度限られてしまうので、ボランティアサイトで多くの情報を提供する必要があろう。 荒天時対策 宮城スタジアムの立地は街中ではなく山中である。山中の場合は雨天など荒天時には目も当てられないほど酷いこととなる。今も雪が多く残り、利府の街中よりも気温にして1〜2℃低い感じだ。確かに夏は涼しいが、雷雨の通り道だったり、いわゆる山の天候に左右される感がある。 2002年6月18日、冷たい雨は豪雨へ変わり、日本代表の熱気まで奪ったかのようだった。雨の宮スタ・・・・ このことは誰も忘れない。あのすごかった豪雨とともに。 スタジアムにはイメージというのがつきまとう。新生宮城球場が、フルキャストスタジアム宮城に変わって、最初にどんなレッテルが貼られるのか。宮城スタジアムもそうした不運を負ってきたのは確かだ。こけら落としのスロバキア戦、宮城独特の冷たい小雨、やませが降る中、中村俊輔選手の同点FKがゴールにつきささったが、残念ながら引き分けドロー。このときから宮城スタジアムの運命は決まっていたかのようだ。 肝心のときに、雨が降り、そしてホームチームが勝てない。 これは決してスタジアムのせいでも、そこに働く人間のせいではない。特に日本ートルコ戦のときはわれわれボランティアですら、神に祈った。「雨が降りませんように・・・」。 無情なるかな。神は小雨どころか豪雨をもたらしたのであった。確かに、雨はホームもアウェイも同じ条件にはするが、圧倒的なホーム有利な状況を一変させるには十分な要素でもある。つまり、そこにいるサポーターだけではなく、ボランティアを含む多くの人のやる気を10%も20%も奪い取るのである。 さて、この豪雨を想定した対策が今までとられていたのか、というと、それは甚だ疑問である。雨が降ったらいたし方ない、ということで、見送られてきた感がある。ではどうしたらいいのか。 対策は限られている。だからこそ、簡単なのだ。発想を逆転すればよい。 まず、合羽だ。 合羽を準備しよう。ただし、100ッキンの合羽みたいなものでは芸がない。もちろん、100円合羽も用意した上で、宮城スタジアムならではの、宮スタ合羽を作るのだ。日本代表の色である、ジャパンブルーを基本にするのだ。 1996年以来、青は“日本の国土を象徴する海と空の色、スピード感”、白は“フェアプレー精神の象徴、チームワークの信頼感”、赤は“炎、熱い血潮、日の丸の赤”というコンセプトがあるらしい。そのジャパンブルーで染めた、宮スタオリジナル合羽を作成したらどうだろうか。 無論、各種レプリカユニフォーム、ウェアを着たサポーターは持参の合羽を着てもらっていいし、それ以外の一般のファンたち(代表ユニを着ていない人々)は、オリジナル合羽を着て座席に陣取り、スタジアム全体をジャパンブルーに染めるのである。 合羽はできるだけ安く作るほうが良い。たとえば、カナダ、ナイアガラの滝見物で必ずつける、青い合羽(100ッキンの透明合羽に薄い青色が入っているもの)のようなものがいいのではないか。これに宮城スタジアムのロゴを小さく入れて、宮スタ合羽を作ってはどうか。 次に、雨宿り場所。 キックオフまでの時間、できれば雨にぬれないところですごしたいというのはみんな一緒だ。特にN,S側はふきっさらしだし、メインスタンドでは前列20列程度までは雨にぬれる。ほとんどの人はコンコースで過ごすが、それも限りがあろうというもの。 それではどうする? なかなか難しい問題だ。指定だからぎりぎりまで入場するのをやめようという人から、最初から入って騒ごう、という人までいろいろだろう。 となれば、スタジアムの内外に雨宿り場所を確保するのである。 スタジアムの外なら、総合体育館=メインアリーナで決まりである。ここではサッカー講座を開いてもいいし、その気(上靴持参などという気合が入れば)になればフットサルだってできる。サブアリーナもあるし、総合プールの2階も使えるではないか。 さて、問題はスタジアムの中だ。1〜2階は使えないから、3階のコンコース、スタンド、2階席の範疇で考えないとダメで限りがある。限りがあるからこそ、コンコース部はできるだけ自由に回ることができるようにしないとだめだし、上述のようにスタジアム内の状況をできるだけ事前に明らかにすることや、サインの充実をはかる必要がある。 さらには、トイレの充実。特にバックスタンド側はトイレが決定的に少ないので、前のベガルタ戦やSMAPのときにやったように、Eゲート外に多くの仮設トイレを設置する必要がある。 (以下、鋭意執筆中) |