再び交通アクセス問題を考える
2001/5/31 Revised
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2000/6/20に開設した「交通アクセス問題」であるが、実は問題はかなり深刻であった。それはアクセス問題が影を落とす大問題であったのかもしれない。
そういう視点で、この項目を再構成した。(2001/5/30)


交通アクセス問題は棚上げにしよう!

今更遅いのである。
新幹線の駅の検討については、昨年の宮城県議会(ここで検索すると出てくる)でも話題になったようだし、軌道を使うアクセス手段は遠い昔に議論になって、いずれも×となっている。
もはや1年しかないのだから、より現実的な対応をしないといけないだろう。
現在の問題点は次の通り。
まず、風評被害にも似た問題から始める。
つまり、「人が集まらない」問題である。
  1. 人が集まらない
    これは深刻である。たとえば、国体秋季大会開会式。5/7応募開始で、3週間たった5/28現在、未だに5,000人しか集まっていない。50,000人程度を予想しているはずであろう。抽選になります!とか華々しくスタートしたが、出足は鈍い。(国体のアクセスについてはここ)
    宮城スタジアムでのワールドカップ試合の倍率の低さ。6/9,12はいずれも15倍程度であり、これは開催地最低の数字だ。人気がないことを明確に示している。裏で、日本戦や他の有力国の対戦があるということは、理由にはならない。県民・市民の応募が少なかったことを如実に示しているのだ。恐らく、1次募集枠は多くてtも1万人程度であろう。それに対して15万人しか応募がなかったわけである。ベガルタの試合の最高入場者数が2万人弱であることを考えると、日本の国全体で15万人というのはあまりにも低すぎる。
    ボランティアが集まらない。5/17付の毎日新聞は、宮城の集まりが最低で、100名以下と報道した。募集は、JAWOCボランティア、開催地ボランティア合わせて1,600名である。遠く離れた数字が関心の低さを如実に反映している。
  2. なぜ人は集まらないのか
    グランディ21に来たことのある人なら、南側の遊具サイトなどの充実がすばらしいことに気づくだろう。しかもハイキングコースは県民の森まで通じているのだ。子ども、大人を通して遊ぶことのできるところは、あまりない。
    ところが、このファミリー層、小さな子どもなどの理由で、自動車が必須アイテムとなっている。土日は仙台方面からも多くの車がやってくる。そのため、第一駐車場は満杯となる。それでも遊具など公園が広いため、余裕の状態だ。だから、自家用車の乗り入れや駐車を原則的に許さない、ワールドカップの試合など、はなっから問題外なのだ。それらファミリー層がそっぽむいたら、宮城スタジアムを満員にすることはできない。自家用車を閉め出すことが、即、来場者の締め出しになっている。これは厳然たる事実なのだ。
  3. 本当に交通アクセスはひどいのか

    宮城県警のホームページに掲載のもの。しかし図は消されるか変更される恐れがあるので引用した)は、塩竈神社の平成13年元朝参りの際の、交通規制図である。駐車場でも近いところは塩竈市体育館。遠いところは月見ヶ丘や、魚市場などがある。ここから塩竈神社の賽銭箱まで、最も遠いところから3km程度だ。しかし、元朝参りではこの距離をもくもくと歩いた人々がいるのだ。
    3.5kmは決して遠くない! のである。もちろん、鉄道などアクセスが完備させる方がいいに決まっているが、冒頭で述べたように今更遅いのだ。
    が、多くの人が実際に歩くと遠いと感じるだろう。なぜか。理由は簡単で、沿道にほとんど何もないからである。神社の参拝などでは多かれ少なかれ、いろんな屋台や店が通る人を歓迎する。その雰囲気の中のそぞろ歩きは悪くない。伊勢神宮も同じだ。最も近い駐車場から大鳥居のある神社入口まで約1km。そこからが遠い。玉砂利を歩きながら精神の安定をはかるのだろうか。みんな黙々と歩く。駐車場から2km強。遠い駐車場からだと、4km程度の道程である。ただ、伊勢神宮の大鳥居から奥には、屋台や店はない。なぜ、飽きないのか。お参りするという雰囲気の醸成が見事なのだ。
    つまり、遠い道程を遠いと感じさせない方法で人を呼び込まないと、いつまでたっても、宮城スタジアムは、交通アクセスからすると、最悪最低のスタジアムのままとなる。
    手法はいろいろとある。いずれも常時は無理だろうが、ワールドカップ開催時には必要と考える。
    1)利府駅→スタジアム の、ジャスコから西側を車両通行禁止とする
    2)ここに屋台(食い物屋など)、店、情報ステーションや、トイレなどを設置する
    3)ピンポイントでやってくる観客のために、菅谷台団地内では、ワールドバザーなどを計画する
  4. ピンポイントでくる観客がほとんどか?
    シャトルバスが有料であれば、それはほとんどないだろう。無料だとしても疑問は残る。
    グランディ21ではコンサートが多く行われる。その際、利府駅からのバス利用者と歩きの比率はどのくらいだろうか。菅谷台1丁目の交差点で実際に観察してみた。確かにバス利用者は多いが、7割以下と見られる。230円を惜しんで歩くのか。否である。友人と語り合いながら、気軽に歩きたいのかもしれない。あるいは途中のジャスコで買い物をするためかもしれない。いずれにしても、多くの人が歩いている、という事実は確かである。
    人は一人だと歩く気はしなくなる。親しい友人、恋人通しなど、気のあった仲間同士だと歩いても差し支えないし、時間があれば、全席指定席だし歩く方がいいのかもしれない。もちろん、天候によるが、晴れていれば歩くのは気持ちがいいだろう。
    5/25現在で、推進委員会から聞いたアクセス方法に関する私見は別の項で述べることとするが、JR利府駅からの人がどれだけ、シャトルバスに乗るか疑問である。
    岩切で降りる人もいるかもしれない。アクセス情報をどう管理しても、歩いてくる人は歩いてくるのだ。
  5. 「人が集まらない」宮城スタジアムを打破するには。
    敷居の高さを減らす工夫も必要だ。イベント重視のW杯気運醸成も結構だが、宮城スタジアム自体の魅力とは何か、あるいは宮城スタジアムを含むグランディ21の魅力とは何か、積極的に宣伝する必要がある。
    たとえば、
    1)利府駅−宮城スタジアム・探検ツアーを定期的に行う
    2)クイズラリーやオリエンテーリング、ウォーキングなど、宮城スタジアムを絡めて行う
    国体、W杯というイベントに目がいきすぎて、肝心の宮城スタジアムのことを忘れたための、「人が集まらない」効果であるとも言える。
    ワールドカップの後、宮城スタジアムが真に県民のものになるか、その真価はすでに問われているのである。

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