フーリガンに関する県議会議事録
- 平成12年6月定例会(第283回)-06月27日−03号
- 六番(佐々木敏克君)
- 元首クラスのVIPも来県するでありましょうし、また世界じゅうの人々が注目するゲームでありますので、プレーヤーに対してはすべてに優先して警備の必要が出てくると思われます。日本人のこれまでの感覚では理解できない対応も必要と考えますが、いかがでしょうか。フーリガンへの対応もあわせて、警備の中心となる県警の考え方をお伺いをいたします。
これまで本県に訪れたことのない数の外国人が一度に訪れることになります。交通機関、宿泊施設、医療機関、警察、商店街、銀行、郵便局等、さまざまな分野での外国人対応が必要となります。これらの対応は現在どのように準備されているのでしょうか、お伺いをいたします。
本県で予定されているのは三試合のようでございますが、関係者やマスコミは大会期間中ほとんど滞在することでありましょうし、特に試合当日は地域の社会活動すべてが影響を受けると言っても過言ではないでしょう。事実、フランス大会においても、開催地の住民は騒ぎを避け、バカンスを利用して大会期間は避暑地で過ごしたと言っております。そこで当然、地域住民へのさまざまな理解促進のための広報活動は特に重要であり、積極的に進めていただきたいと思いますが、住民の皆様への対応をどのように進めているのかをお伺いをいたします。
- 知事(浅野史郎君)
- VIPやプレーヤーに対する警備については、警察本部長からお答えをいたします。
私からは次に、外国人対応についての準備状況でございます。
世界じゅうからこのワールドカップで宮城に訪れていただくわけでありますが、こういった方々にこの宮城の地で快適に滞在していただくためには、今後、空港や駅での観光、交通に関する案内、通訳を行うということが必要となってまいりまして、そのためのボランティアの採用が必要になってまいります。また、関係機関と連携を図りながら、サインの表示。これも外国語表示が必要となってまいりますが、サイン表示の充実や案内標識、この外国語表記の推進についても適切に対応してまいりたいと考えております。
更に、関係業界の方々の御協力もいただきながら、外国人のための宿泊施設の確保というもの、それからまた、そこでの接遇というものが重要になってまいります。また、緊急時の医療体制をどうするんだということ。こういったことについても、必要な対策を今から講じてまいりたいと考えております。
次に、地域住民への理解の促進についてでありますが、大会の期間中は交通渋滞などもございますので、付近の住民の方々には生活上の御不便をおかけするということも予想されるわけであります。こういった影響を最小限にしていきたいということで、宮城・仙台推進委員会を通じて必要な情報を住民の方々に適切に提供していきたいと考えております。また、県といたしましても、住民の方々のワールドカップ開催に関する御意見や御要望がどんなものであるかということの把握をしていきたいと思っております。警察本部や関係市町村などの御協力もちょうだいしながら、住民生活の安全の確保、交通渋滞の緩和などの対策に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは最後になりますが、開催地としてなすべき課題についてのお尋ねでございます。
まず組織体制でありますけれども、これは県庁全体で取り組むべきものであるという御主張、そのとおりでございます。そういった認識のもとに、ことしの五月、庁内に宮城開催推進会議を設置いたしました。各部局が連携して、ワールドカップの成功に向けた各種施策を展開することにいたしております。
次に、ボランティアの募集についてでありますけれども、大会開催に当たっては大勢の、ほんとに大勢のボランティアの御協力が必要となってまいります。日本組織委員会では現在、ボランティア基本計画というのを策定中でありますが、この基本計画をもとに、ことしの十月以降に大会運営ボランティアの募集を開始をする予定というふうに伺っております。開催地ボランティアについてもこの時期に同時募集ということをしたいと考えておりまして、そのための検討を進めております。
チケットの販売でございますけれども、日本組織委員会では、開催自治体住民への優先販売というのを検討していると承知をしております。少しでも多くの県民の方々に熱気と感動を味わっていただけるように、宮城県としても相当数の優先販売枚数を確保をする、そういった要望をしてまいりたいと考えております。これらに関しては、大会運営主体であります日本組織委員会と連携しながら、大会の成功という大きな目標に向かって適切に対応してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
- 警察本部長(中川雅量君)
- ワールドカップサッカー大会は、国の内外から多数の観客等が集まる国際イベントということであります。元首クラスのVIPを含めた大会関係者、選手、観客等の安全確保と大会の円滑な進行が図られるよう、テロ・ゲリラ対策、雑踏事故防止対策、交通対策を初め、熱狂的なファンやサポーターが行き過ぎた行動に出た場合の対策等について十分に検討し、県民の理解と協力を得ながら警備に万全を期す必要があると考えております。
現在、JAWOCの専門委員会において警備のガイドラインを策定中であると承知しておりますが、いずれにしても過去に経験したことのない警備となることから、事前の綿密な準備と十分な警備体制の確立が必要であり、今後、警察庁、関係警察、JAWOCや県等の関係機関、団体との連携を密にしながら諸対策を推進してまいりたいと考えております。
- 平成12年6月定例会(第283回)-06月29日−05号
- 五十一番(今野隆吉君)
- ワールドカップなどを控えて交通アクセスに今後どのような抜本的対策を検討しているのかお伺いいたします。ワールドカップ開始までは、仙台北部道路の開通などアクセスは若干解消するとは思いますが、来県される内外人に対して不愉快な思いを抱かせないためにも、最善の対策を検討お願いいたします。
また、ワールドカップは世界的なイベントで、日ごろの秩序や平常心を失った群衆とお祭り騒ぎに乗じた内外人で、町じゅうが器物破損も含め混乱し、周辺道路も麻痺してしまった例も過去にありました。先般、ユーロ二〇〇〇において、イングランドとドイツとの試合でフーリガンの場外乱闘があり、留置場に収容できないほどの逮捕者が出たと報道されております。お国柄もあろうと思いますが、このような場において、万が一同様な事故が起きないとは保証はありません。先ほど申し上げましたが、入場者のいらいらや不満が群衆化したとき、ささいなことから大事故が発生するものであります。例えば入場者のけんか、不法駐車への放火、沿道民家へのいたずらなどが推測されますが、また、ホテルの宿泊代や飲食代の踏み倒し、不良外国人が潜入して、コカイン、ヘロインなど、麻薬犯罪が摘発されております。異常な雰囲気に包まれて内外人レイプによる不本意な赤ちゃん出産までが問題になっております。数えたら切りがありません。善良な県民への被害はあってはならないことだと思います。楽しい観戦が最悪の事態にならないよう万全の警備体制を望むものでありますが、どのような対策を検討しているのか、知事の基本的見解をお伺いいたします。
けさほどのマスコミ報道の中に、日本組織委員会の石田氏のお話が載っておりましたが、あのイングランドとドイツの試合はハイリスクの試合であって、当初から予想されておりましたので、観客席の分離を図りながら徹底してきた。スポッターと呼ばれる見張り役を町の中心部に配置して、フーリガンの動静を警備本部に連絡、連携をとりながら警備に当たったとのことであります。そして、ドイツ政府では旅券法を改正して、千三百人から千四百人のフーリガンの出国阻止を図ったそうでありますが、ドイツフーリガンは百名ほど会場に来たということであります。また、チケットにつきましては、観戦者の名前を印字し、持ち主と名前が異なる場合は入場を断るという非常に厳しいチェックを行ったにもかかわらず、大混乱に発展したのであります。
日本でも、イギリスやドイツなどに対しては出国禁止措置を期待できると思いますけれども、日韓大会では、スタジアムや関連施設をフェンスで囲み、内側で警備会社による自主警備を行い、自主警備には一試合当たり千人程度を想定しているとのことであります。今回のユーロ二〇〇〇に宮城県警察関係者も多分視察参加したと思うが、警備担当者にとっては非常に参考になったと思うし、更にその経験を踏まえてよりすぐれた対策を検討していただき、日韓ワールドカップの成功を祈念するものであります。
- 知事(浅野史郎君)
- また、不法事案対策については、警察本部長からお答えをいたします。
私からは次に、ワールドカップに取り組む基本的な考え方についてでございますが、このワールドカップ、地球全体が興奮と熱狂に包まれる、オリンピックをしのぐ世界最大のスポーツイベントと言われております。このイベントが本県で開催できるということは、我々にとっても大変大きな喜びでございますが、それと同時に、責任の重さを十分に認識をしているところでございます。こういった中で宮城県を訪れる国内外の人々はもとより、地域住民の方々にとっても、安全でかつ感動的な大会であったという評価が得られますように、警察本部など関係機関と連携をして万全を期してまいりたいと考えております。
- 警察本部長(中川雅量君)
- 初めに、ワールドカップ開催に伴っての不法事案対策についてでありますが、現在、ベルギーとオランダで開催中のサッカー欧州選手権において、一部のサポーターが行き過ぎた行動をとり、各種不法事案を引き起こしたと承知しており、二〇〇二年に本県で開催されます大会におきましても、議員御指摘の不法事案等の発生も考えられるところであります。したがいまして、警察といたしましては、警察庁や関係機関等と情報交換を緊密に行うとともに、議員御指摘の国内外の過去の事例等についても十分検討を加え、また前回のワールドカップ及び今回のサッカー欧州選手権に職員を派遣しておりますので、その問題点を十分把握いたしまして、不法事案等の未然防止のための具体的な対策を講じていきたいと考えております。
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