まずは、おめでとうと言いたい。
スポーツが、被災地の心の復興に資するのは間違いない。
だからこそ、被災地を忘れてほしくない。
そして、本当に大切なのは私が言うまでもなく、これからだ。あげておきたい問題点は次の通りだ。
- 1.箱物
- 当然、箱モノが作られる。これの有効利用は、これまでも、これからも重要だ。当初、2002当時の、宮城スタジアムの二の舞は決して踏んではならない。祭りは、終わった後が、大切だ。宮スタは、市民県民への幅広い有効利用で、活路を見出した。宮スタには子供たちの笑い声と歓声がよく似合う。宮スタは一般利用ができて、200円で走れるし、年に3回はピッチの無料開放がある。ハードがダメな施設はソフトで何とかする。オリンピックでできる、そうした箱モノを、いかに維持していくかが、最大の問題だ。前の五輪のときと違って、施設をつくることがイベント開催の二次的な目的ではない。そのこと、肝に銘じてもらいたい。
- 2.原発事故
- 全く説明責任が足らない。その自覚もない感じがする。東京こそ、最大の電気消費地であり、福島第一原発事故の精神的な責任を東京都民が負っていることを感じてほしい。FUKUSHIMAが福島として復旧し、復活していく過程で、そのことを常に思っている必要がある。忘れてはならない。
- 3.被災地復興
- 被災地復興をテーマのひとつに挙げて、東京に誘致したのだから、被災地を忘れてはならない。被災地の復興と、オリンピックの準備を、有機的に結び付けながら実行していってもらいたい。誘致のための単なるリップサービスで終わってほしくない。高円宮妃久子さまのおことば、そして佐藤真海まみさん。彼女たちのメッセージを絵にかいた餅にしてはならない。心の復興をスポーツで後押しし、新たな街づくり、震災に負けない東北の復興を、目指してほしい。
これから、東京都や都民が被災地、特に福島に、どんなメッセージと思いを伝えていくのだろうか。
オリンピックという華やかなもので、被災地の悲惨な姿を覆い隠すとすれば、それは大きな間違いだ。
被災地復興なくして、オリンピックはない。 |