2001/05/12改訂

秋季国体開会式人員輸送について

国体での輸送はすべて、シャトルバスだ。具体的には次の7箇所から宮城スタジアムに向けて、シャトルバスが走る。
 1.利府駅 JR東北線(下り)
 2.岩切駅 JR東北線(上下)
 3.多賀城政庁(仮称)駅 JR東北線(上下)
 4.多賀城駅 JR仙石線(上下)
 5.泉中央駅 仙台市営地下鉄
 6.新富谷ガーディンシティ パーク&バスライド
 7.夢めっせみやぎ パーク&バスライド
問題点などを見ていこう。
まず、利府駅。
ここは「問題点を考える」で述べたように、1時間で2700人程度しか対応できない。また、利府駅−宮城スタジアムの乗車・降車・往復の時間がほぼ1時間かかるとみて、50人乗りバスを60台程度配置する必要がある。
次に、岩切駅。
ここも「問題点を考える」で述べたように、駅の致命的な構造のために、どんな立派な駅前ができても、1時間で3600人程度しか対応できない。速やかに、ホームから改札口に至る、跨線橋を設置することが必要である。また、岩切駅−宮城スタジアムの乗車・降車・往復の時間がほぼ1時間かかるとみて、50人乗りバスを100台程度配置する必要がある。
次に、多賀城政庁駅。
ここは未完成なので、かなり不確かであるが、橋上駅となり、かなり人数はさばけるはずだ。8両編成電車が10分おきに到着すれば、1時間で7200人さばけることとなる。が、これは満員乗車を想定しているので、岩切で降りる人を考慮にいれると、1時間で5000人が降車するのが最大であろう。また、バスは往復の時間がかなりかかるため、150台程度は配置したい。
次に、多賀城駅。
ここは、仙台方面上りホームに改札口があり、バス乗り場は駅を降りてかなり歩くこととなる。
仙石線は5分間隔運転が可能であるが、跨線橋のはばが狭いので、それほどの人数はさばけないだろう(跨線橋が広ければ、1時間6000人程度可能)。さらに、スタジアムから遠いというイメージと、バス乗り場までの距離とその間の安全性などを考慮すると、1時間4000人程度が最大と思われる。バスは、往復の時間がかかるために、やはり200台くらいは配置したい。
泉中央駅。
さばける人数は地下鉄運転間隔に依存するが、仙石線と同様に、1時間6000人程度が可能であるが、ここもバス乗り場までが遠いので、実際には1時間5000人程度が最大と思われる。バスは、往復の時間がかかるために、やはり300台くらいは配置したい。
以上、JRと地下鉄利用で、1時間最大20000人をさばくことが可能であろう。 次はパーク&バスライドの、新富谷ガーデンシティ。
ここは、2800台の駐車場が用意されている。自家用車1台あたり平均3名乗車だと、8000人。バス150台で、1時間で運ぶことが可能だろう。
次もパーク&バスライドの、夢めっせみやぎ。
ここも、2800台の駐車場が用意されている。自家用車1台あたり平均3名乗車だと、8000人。バス150台で、1時間で運ぶことが可能だろう。
以上、パーク&バスライドで、16000人をさばくことが可能である。が、これ以上は駐車場スペースがないから、絶対に対応できない。

以上の考察から、パーク&バスライドの16000人を1時間でさばくことが可能と仮定すると、全シャトルバスで、1時間、36000人対応可能ということになる。50000〜60000人をさばくためには、2時間以上の時間が必要である。
秋季国体開会式では、9:30開場、12:30締め切り、と、3時間を予定しているが、これはぎりぎりである。
ワールドカップにおいてはどうだろうか。
15:00試合開始となれば、遅くとも12:00に開場しないといけない。また、試合後、全員が帰宅の途につくのは、20:00頃とみられる。

さて、次は宮城スタジアムでのバス降車である。
秋季国体開会式では、仙台北部道路ができていないために、通常であれば、
1.表(南側)に、利府・岩切・多賀城政庁・多賀城・夢めっせみやぎの5箇所から、1時間660台のバス。
2.裏(北側)に、泉中央・新富谷ガーデンシティの2箇所から、1時間450台のバス。
が、やってくる。
仙台北部道路完成後は、上記のうち、夢めっせみやぎからの150台が裏(北側)にまわることとなる。下記のように、北側から入る方がゆとりがある。

1台の降車に5分かかるとすると、少なくとも100台同時停車するスペースが必要となる。1台で、15m程度必要となると、1.5km分となり、これはグランディ21の中の道で対処可能だ。
ただし、かなり効率的にやらないと、たちまち、バスの渋滞がおこってしまう。だから、
1.グランディ21内の道は、一方通行とする。
東側ゲート(沢乙温泉側)→北側ゲート(青麻神社)の一方通行。
2.降車は、サブトラック脇から第6駐車場脇までで、行う。
3.グランディ21前の駐車場は、当然駐車禁止であるが、こちらも、西側入口(集いの広場前)から入り、正面から出ていくスタイルにしないと、とてもさばけない。当然、総合運動公園岩切停車場線は一般車通行止めとなり、菅谷台団地内を南からあがってきたバスは、グランディ21正面からいったん、左折し、西側入口に入るために、Uターンする必要があろう。

これらの机上の論理がうまくいくための、最大の問題は、「効率的に誘導する方法」に尽きるといえる。
さらに、周辺道路の性格(曲がり具合、坂、交差点などなど)を、きちんと把握しなくてはならない。
つまり、綿密な計画、誘導員の徹底的な教育・研修、責任者のが不可欠である。

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