1.ワールドカップが終わって宮城スタジアムに何が起こったのか
事実
- W杯仕様から陸上競技場仕様に変更になった
このため、ピッチの部分はかなり小さくなった。小さくするときの芝を無料で配布したが、貰った人も多いだろう。
現在のFIFAの規格からすると、エンドは2mサイドは1m以上も狭い。
従って、このままでは国際試合はできない。
- 1種陸上競技場仕様にするためサッカー規格を事実上無視した
上記のように陸上競技場仕様にした理由は宮城野原陸上競技場に代わる競技場としての役目である。
そのために、サッカーとしての利用よりも陸上競技場としての利用を目指した。
これにより国体時よりもピッチは狭くなった。
上記の決断は、ワールドカップ終了後、教育庁スポーツ健康課においてなされ、実行された。
宮城スタジアムは陸上競技場が主であることは論を待たないが、果たしてサッカー関係者のどのくらいが上記の意思決定に参画したかどうか、それが問題である。
2.小さくしてしまったピッチの問題点とは何か
事実
- サッカーの試合ができないわけではない
ピッチ部分は小さくなったとは言え、サッカーの試合ができないわけではない。
ただ、エンド、サイドともに、両翼50cm程度の余裕しかないので、スライディングの際、ピッチからはみ出してしまう可能性が高い。
それゆえ、選手にとって極めて危険というわけ。
- (2004/2/28の補足)ベガルタ仙台戦は2003年3試合行われた。人工芝を使用してのゲームである。Jリーグが開催できるのだから十分に開催可能なのだ。
- もとよりラグビーの試合はできない
より大きなピッチを必要とするラグビーの試合はこの芝ではできない。
トラックを重要視する陸上と、芝の面積が重要なサッカー。もとより2つは共存できにくいものだ。
小さくしてしまった芝にすでに試合場としての魅力はないのだ。
- (2004/2/28の補足)2003年夏、高校ラグビー大会が人工芝を有効利用して行われ、ボランティアが積極的に関わって大会は成功した。
サッカーを知らないものが、芝面積の矮小化に関与し、非常に小さな空間で決定されたと聞く。
陸上競技場として、49,000人が必要かどうか、そんなことも考えないで、決定されたことに、素直に驚く。
3.国立競技場だって陸上競技場ではないか
事実
- 国立競技場も横浜国際総合競技場もピッチは小さい
宮城スタジアムだけではなく、実は国立競技場も横浜国際総合競技場もピッチは国際規格にはるかに及ばない。
陸上競技場仕様なのだ。
- 人工芝の活用
両競技場ともに、FIFA仕様にするために、エンドとサイドに人工芝をひいている。
日本代表戦をテレビで観戦する場合に、よくエンドとサイドを見てみよう。
小さい芝面積を補足するように、人工芝がひきつめてあるのだ。
宮城スタジアムだって、人工芝をひけばいいのではないのか。
国立、横浜と宮城スタジアムは何が違うのか。
5.何が問題なのか
事実
- 2002年6月18日以来日本代表は来ていない
6月18日(火) 午後3時半キックオフの日本−トルコ戦。
それ以来、代表は来ていない。代表どころかU23も来ていない。
- 同じ人工芝なら利便性のよいスタジアムでやる
同様に人工芝を使うのなら、利便性のよいスタジアムで開催するのは当たり前だ。
宮城スタジアムでやってもいいような積極的な理由がない。
- 誘致活動の実行
宮城県も手をこまねいているわけではない。
誘致活動を積極的に行っている。
それなのになぜ来ないのか。誘致活動が不十分なのか。
相手のある話である。決して、意地悪をしているわけでない。何しろ、日本代表が戦った聖地なのだ。
いやだからこそ、下手な試合はできないのであろう。
6.どうやったら日本代表を呼べるのか
実行策
- 芝の改善を実行せよ!
純粋な陸上競技場仕様となってしまった宮城スタジアム。
少しでも、日本代表に試合をして貰う環境作りをすすめよう。
少ない予算で何とかする。
たとえば、少しでも良い人工芝を購入するとか、トラックを緑色にするほどのマットを用意するとか。
そういう努力が必要だ。
- 宣伝をしよう!
宮城県は本当に日本代表を呼びたいのかどうか、役人の一部はがんばっているが他の連中はどうなのか。
その辺が日本サッカー協会には不気味ともいえる。
ともかく宣伝をしようではないか。
日本代表戦を宮城スタジアムに呼んでこよう、とキャンペーンをはらないとダメだ。
- 営業努力が足らない!
酷評のスタジアムがどう変わっていったのか。
宮城スタジアムというかグランディ・21に営業努力がまるで足らない。
交通アクセス、県民からの愛着など、明らかに改善した点が多々あるのに、全く宣伝していない。
以前から言っているように、ホームページ等でどんどん情報公開すべきなのだ。
それなのにほとんどそういう努力がない。
現状の職員の体制では無理だから、無理ならボランティアに頼むなりして、情報公開を積極的にすすめたらどうなのだろうか。
全くもって歯がゆい。
- 県民市民による宮スタ否定の打破
呼ぶどころか、宮城県民、仙台市民に宮スタ否定論が根強い。
これは行政の失策である。
真に誘致に積極的であるはずの宮城県民、仙台市民にその気がないというのは、いかにもまずい。
市民レベルで日本代表を誘致する努力も必要であろう。
何がどう、宮城スタジアムは変わったのか。
それが外からは全く見えない。
そういう不気味さこそ、日本代表が来ない理由とも言える。
だからこそ、今更マスコミは使えないから、積極的にホームページ等で宣伝しないといけない。
そういう危機感が全くないように見える。
今何かをやらないと、一生、日本代表は来ないだろう。
そうやって、W杯が来てその後国際試合が行われない伝説のスタジアムはできていくわけか。
- (2004/2/28の補足)今年はWカップ予選の年。だが、残念なことに日本代表の試合はいずれも平日で、19:20頃のキックオフである。21:30頃終わる試合に49,000人の足はどうなのか。こういう夜の輸送計画の策定が急がれる。
- 一方、U23もいずれのラウンドも短期決戦。故に東京圏の小さな地域で行う必要がある。この辺の事情に、地方のそれも交通アクセスが十分ではない宮城スタジアムが外れたのはやむを得ないとも言えるが・・・・
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