平成17年3月16日
-
1.計画立案のポイント
-
(1)これまでの実績
キリンカップからSMAPコンサートをはじめとして、50,000人の観客輸送については、国体開会式やW杯の特別体制を除けば、これまで必ずしも成功していない。つまり、これまでの輸送計画を根本的に変える必要がある。
-
(2)他の例を見る
新潟スタジアム・ビッグスワン、大分スタジアム・ビッグアイの状況を見ると、いずれも日本代表戦においては、近くの駐車場を使用させてはいない。ビッグアイは大分スポーツ公園内にあるが、最も遠い(1.5〜2kmくらい)駐車場を使わせたようだ。ただ、トリニータ戦では通常、無料のパークアンドライド(地元企業の協力と県の補助)がある。APPENDIX参照のこと。
-
(3)バス優先
公共交通輸送を最優先し、自家用車が多少の不便を強いられても仕方がないこと。
-
(4)日本代表戦等全国イベント共通の特徴 −ベガルタ戦と比較して−
-
[1]訪れる人が全国で地理に不案内で宮城スタジアムを知らない人が多いこと
-
[2]客層はばらばらで、公共交通で訪れる人が多いこと
-
[3]自家用車で来る人も道がよくわからない人が多いこと
-
(5)これまでの問題点
-
[1]多賀城駅、泉中央駅、そして仙台駅シャトルバスが沢乙口一つに集中したこと
-
→ 沢乙口処理能力の限界を示唆
-
[2]1人あたりのバス乗車時間がかかり過ぎていること(7秒は遅すぎる)
-
→ バース設置方法の改善が必要
-
[3]沢乙口でのバス退出方法が徹底せず、バスが渋滞したこと
-
→ 警備員によるバス誘導方法の徹底が必要
-
[4]利府駅シャトルバスの根本的な解決ができないこと
-
→ 1/3程度を岩切駅に向かわせる
-
2.仙台駅シャトルバスの重要性
-
仙台駅シャトルバスは、本来のシャトルの意味合いとして最も重要な路線である。新潟ビッグスワンが新潟駅から1本、大分ビッグアイは大分駅から1本、ということと同等。宮城県の玄関駅からの1つの交通手段で来られるビッグスタジアム、という位置づけで、かつ、運行時刻は 気軽に行ける時間、最大でも30分を目指すべきであろうし、それは可能であった。実際、ベガルタ戦ではそのような時間で運行できている。
-
3.新たな輸送計画策定するポイント
-
以上のことから輸送計画を策定するポイントは次の通りである。
-
[1] おおよそ40,000人以上で宮城スタジアムに初めて来る人が多い場合とそれ以外を分けて考える必要があること
-
[2] 40,000以下はこれまでのベガルタ戦と同じ対応でよいこと
-
[3] それ以外の場合は新たに輸送計画を策定する必要があること
-
[4] 沢乙口は沢乙信号交差点に近いため、多賀城シャトルバスと仙台駅シャトルバスの両方が設定された場合は非常に多くのバスが右折せざるを得ないので交通整理が大変であること
-
[5] バス専用口を沢乙口にくわえて泉口も設定することも視野にいれること
-
4.シャトルバス輸送計画
-
・ 泉口は仙台駅、多賀城駅 各シャトルバスの専用入出場口、沢乙口は泉中央駅シャトルバス専用入出場口、とする
-
・ シャトルバスバースは第7駐車場内に設置
-
・ バス乗降場は泉口に近い方から、[1]泉中央駅シャトルバス、[2]多賀城駅シャトルバス、[3]仙台駅シャトルバスとし、それぞれ6,10,12バースを設置
-
・ 1バース13mとして28バースだと、364mであり、第7駐車場なら十分に確保可能
-
・ バスを待機する乗客の列は第7駐車場内の南側
-
・ バス停車場はバースの北側に設置
-
・ 一般車はシャトルバス運行時間帯は正面ゲートのみで対応
-
・ 利府シャトルバスとタクシー・送迎車は同じ場所=第一駐車場
-
・ ツアーバス、パークアンドライドバスバースは、多賀城駅・仙台駅シャトルバスと泉中央駅シャトルバスの間に設置
-
・ 仙台駅・多賀城駅シャトルはいずれも自動車専用道経由。したがって、観光バスタイプ。
-
・ 仙台駅シャトルバスは、仙台駅東口(宮城球場〜ハウジングプラザ)→仙台東部道路・仙台東IC→仙台北部道路・しらかし台IC→沢乙口→宮城スタジアム を経由。復路は逆経路。
-
・ 多賀城駅シャトルバスは、多賀城駅→仙台東部道路・仙台港北IC→仙台北部道路・しらかし台IC→沢乙口→宮城スタジアム を経由。復路は逆経路。
-
・ 泉中央駅シャトルバスは、泉区役所→将監トンネル→明石台→石積(いしづもり)トンネル→泉口→宮城スタジアム を経由。復路は逆経路。
-
・ 利府シャトルバスは状況に応じて岩切駅に向かう。最大1/3程度。岩切駅ロータリー使用については事前に協議が必要かも。
-
・ シャトルバス料金は、できるだけ抑制することが必要。仙台駅シャトルバスは片道750〜1,000円、多賀城駅シャトルバスは片道500〜700円。泉中央駅シャトルバスは片道400〜500円。利府駅シャトルバスは片道230〜250円。
-
5.自家用車対策
-
大分や新潟では明確にパークアンドライドを推進している。宮城スタジアムでもよいところは真似ていってよい。一方で、2,000台の自家用車駐車場をスタジアム内に設置したが、売り切れは必至なので、パークアンドライド駐車場を確保する必要があろう。
-
[1] グランディ・21内駐車場設置: 2,000台。イベント終了後、出るのに最大1時間半程度かかることを、事前に購入者や来場者に明確にして、駐車券を販売する必要がある。1,000円〜2,000円が適当。
-
[2] パークアンドバスライド: 2,000台程度確保。仙台港付近、できれば夢メッセみやぎの駐車場を借りて、そこに駐車させ(有料化、200円〜500円程度)、そこから多賀城駅シャトルバスと同じルート同じ料金で往復させること。
-
[3] パークアンドバスライド2: 泉IC付近に1,000〜2,000台程度確保できないかどうか。そこに駐車させ(有料化、200円〜500円程度)、そこから泉中央駅シャトルバスと同じルート同じ料金で往復させること。
-
[4] さらに臨時駐車場>宮城県サッカー場駐車場+利府町中央公園駐車場: 約500〜600台程度。そこからは徒歩。
|